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台湾での不思議な出会い。少数民族の不思議な旋律。

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大ケヤキ爺さんのお肌。@江古田 浅間神社 浅間神社の大ケヤキ




先日、セレックバレとゆう映画をみた。
日本統治下時代に起きた台湾少数民族の反乱の実話だ。
台湾に行くと多くのお年寄りが親日を語られる。
お礼をのべられる方すらある。
でもそこに「計り知れない何か…」を感じていた私。
少数民族文化の誇りにかけ蜂起した人々があった史実に、
逆にその『何か』が、自分の中で立体化した気がした。



台湾での不思議な出会いを思い出した...


台湾。時は正月

私は偶然にも、二つの少数民族と出会った。

バスは山道をゆき、終点に到着。
その夜は 台東山間の温泉宿に泊まった。
廃墟のような安宿なのに妙に落ち着く。
土地の気配? それとも精霊?

夜はふけていった。


ひとつめの出会い…

深夜のこと。
不思議な歌声で、私は彼らに気づいた。
宿のベランダに出て川辺を見ると、
何かの儀式をとりおこなう男達の姿があった。
それはたくさんの男達が集まっており、
火は絶え間なくたかれ、ウサギが生け贄として吊るされており、
夜通しその不思議な旋律の歌は繰り返された。

それはそれは神秘的で、近づきがたいものであった。

翌朝、男達は檳榔で真っ赤にそまった歯に煙草をくゆらせ、
バイクに股がり、二人乗り、三人乗りし・・・
前夜の神秘的な世界とは正反対の爆音を轟かせ、
あっという間にどこかへ帰っていった。
宿の人いわく、女人禁制の儀式だったらしい。


ふたつめの出会い…

その翌日、花蓮の山道を歩いていると、
今度はポリネシア系の顔をした少数民族の人々に声をかけられた。
彼らのゼスチャーによると…
正月で着飾っているから写真をとってほしい!とゆうのだ。
成る程、お花畑のような衣装!豪華絢爛!

『でも、写真をとっても貴殿方のところには送れないかも知れませんよ』
。。。みたいなことをゼスチヤーで示すと、
『いや、我々の雄姿を撮って帰って欲しいんだ!』とゆう感じで、
男達は分厚い胸をはった。

太陽をいっぱいに受けた彼らの表情は
正月らしく喜々としていた。
そして、彼らは明るい森の中に消えていった。


全く違う顔をし、違う服装、
違う文化を持つだろう二つの民族が
至近距離で生活していると知って驚いた。
強烈な出会いであった。
彼らはたくましかった。
そして美しかった。

後から調べてみたところ、
夜中に儀式をしていた台東の人々は、恐らく狩猟民族。
翌日に出会った花連の人々は、恐らく農耕民族。
きっと彼らは大昔から
絶妙なバランス感覚をもって暮らし分けてきたのだろうな。




もうひとつの出会い...


その、日本へのお礼を述べておられたお婆さんは、
台南の靴屋の方であり、とても美しい日本語を話しておられた。
靴が旅の最中に壊れ、皮の分厚い靴底が剥がれてしまったので、
スニーカーを買おうと閉店間際の店に入ったのだが。。。

お婆さん曰く、
『この靴はまだまだ使えるから直してあげる!』といって聞かない。

『あす朝、台南を発たねばならないから、有り難いけれど日本で直します』とゆうと

『職人に夜なべで仕上げてもらうから大丈夫!』と何度もおっしゃる。

根負けした私は、壊れた靴を預け、
オレンジ色の安いスニーカーを買い、ひとまず宿に戻った。
(お婆さんは「スニーカー買わなくてよいよ!このスリッパをかしてあげる!」)
・・・とおっしゃっていたのだけれど・・・

翌朝。。。

成る程、出来上がっている!
なんと手縫いだ!それも両足直してある!
どれだけ大変だったことか。。。

お支払いしようと修理代を訪ねると、

『いらない。日本への恩返しですから。』
『日本人のお陰で、学校にいけましたから。』
などといって、お婆さんは引かない。

またしても根負け。

深くお礼を述べ、後にしようとしたとたん、
自分の目から、涙がボロボロこぼれた。
お祖母さんの目からも、ボロボロこぼれた。
二人で抱き合い、店を後にした。
電車に乗っても、しばらく涙が止まらなかった。

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あの旅からずっと感じていた

「計り知れない何か…」

点と線は何年もかけて繋がっていくのでしょうか?

感謝を述べる人もあれば、蜂起した人達もある。
「計り知れない何か…」
日本の統治者にも色々な人がいたであろう…
文化への尊厳なくば悲劇を招くということ…

地球上いたるところで、
太古から受け継がれてきたモンゴロイドの民族文化。
侵略と伝染病で消えていった幾多の史実を想うたび、

自分のどこかに、少しなりとも、
彼らと同じ血が流れていることを、
自分のどこかに、はるか遠くであれ、
彼らと同じ感覚があることを

感じようとしている自分に気づくことがある。


ケヤキ爺さん、ケヤキ婆さん....

どうおもう?



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大ケヤキ婆さんのお肌@江古田 浅間神社 浅間神社の大ケヤキ



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by hachiyamaki_diary | 2014-08-26 06:43 | 福中文庫(作文)

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