home > diary


建築物は語る

きのう、しばらく行ってない場所にいった。
20年以上、行ってなかったかもしれない。
そこは東京のど真ん中。最大の一等地。
1923年生まれのアールデコの超有名ビルが壊されて
新しいビルに建て替えられたのは前から知ってたし、
ちょっと想像はしていたけれど、
なんとゆうか見に行くのが怖くもあった。

で、やはり味気なかったのだなあ…
建物にビジネスやお金の臭いばかりが、
見えてしまうのだ。
ひとまわりしてみたものの、
足早に建物を出てしまった。

すなわち
当たり障りのない「平均的いい感じ」になっていた。
あの歴史ある建造物の跡地に?と。
あの手の商業ビルなら、
どこにあってもいいんじなない?と。
場所にも歴史や個性があるでしょう?と。

じゃあ何が見えないのだろう?って思った。

そのことがなんとも気になって、
それは音楽にも繋がるように思えて、
その1923年生まれのビルの解体工事に携わった人のブログを読んだ。

その歴史あるビルの解体にあたり内部調査したところ、
それぞれの部位や部品、一つ一つに、
職人のプロフェッショナルがつぎ込まれていて、
それぞれに、たいへん頑強で美しく、
重厚なドアにもゆがみ一つなかったそうだ。

ビル建築時の職人たちは、
一人一人がそのビル一つ建てられるほどに、
ビルの全体像を熟知していたそうである。

素晴らしい!!!
やはりそうか!!


今は完全分業となって、
それなりのメリットはあるものの、
建造物全体を直感してビルを作れる職人が減っているという。

まえ、ある番組で、安藤忠男さんが
自分の作品(建築物)の前にあえて木を植える。。。という話をしていた。
年月がたち、その木がどんどん大きくなって、
建物をおおい隠すのを見るのが楽しみだと語った。
いつしか建築物は朽ちるんです。。と語った。
若い建築家に「あの木、いい感じに育っただろ?!」というと
「は?」という感じなのが、もどかしいと笑った。
そして、日本全国に木を植える運動をしていると。。。

おもしろいおっさんだな!!と思った。

なんだろう?
愛。。。ということばを思い出した。
なんの分野でも、それじゃないかと。
形あるものは、いつしか朽ちるけれど、
音楽とて、風のように流れゆくが、
愛というエネルギーは継承される!
(と、信じたい!)



蜂谷真紀
はちやまき
makihachiya









by hachiyamaki_diary | 2011-02-14 05:44 | ふくちう日誌

ライブ日誌、いろんな日誌、ふくちう日誌


by 蜂谷真紀 / Maki Hachiya