永田和宏さんが私の曲『竜骨』に短歌を詠んで下さった。
2015年 03月 05日
歌人の永田和宏さんが、
完璧な音源としての声帯かたとへば竜骨(キール)の軋みのやうな
触覚として届くなり声にしもあらぬ波動の直接として
私の曲『竜骨(keel)」を聴いて短歌を詠んで下さった知り驚く。
光栄です。
【初人氏の手記より転載】
ノルウエーのヴァイキング船博物館にオーセベル船が保存されている。
1904年にオーセベルの海底から引き上げられた木の船で、
泥の中で腐食を免れ当時の姿をとどめている。
竜骨(キール)を備えた手漕ぎの船。
その曲線は彫刻のように優雅で祈りのかたちにも似ている。
ヴァイキングには船を棺とする習慣があり、
亡き女王と共に生贄とされた家畜や副葬品に溢れていた。
船は女王の棺として沈めれ、千年以上もの間氷の海に眠っていたのだ。
蜂谷真紀の曲『竜骨』は、このヴァイキング船を思わせる。
残酷で美しく、そして敬虔。
先日、歌人の永田和宏さんが
蜂谷真紀が歌う『竜骨』を聴いて次の短歌を詠んでくれた。
『竜骨』 永田和宏
言葉にはあらぬ歌詞にて蜂谷真紀しづかに「竜骨 (キール)」を歌ひをはんぬ
完璧な音源としての声帯かたとへば竜骨(キール)の軋みのやうな
触覚として届くなり声にしもあらぬ波動の直接として
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「竜骨(keel)」という曲 by 蜂谷真紀
バイキングの故郷に自分の曲を連れて行きたくて、
オスロで実物の竜骨(オーセベル船:写真)を見る前にこの曲を書いた。
1000年の時をこえ、その船は朝霧の海に音もなくあらわれる…
そんな渦巻くイメージを曲に描きたかった。
この曲は【HANA●TORI】のCD、
「たからもの」に収録されている。
信正さんのフリーイントロは、船を今に連れてきたかのようであり、
喜多さんのソロは時をこえ、海上に降り立つ魂のようだった。
彼らの素晴らしい解釈には、歌っていて鳥肌が立ったほどだ。
ゆうべ、この船を想って寝たら、
海岸線を旅する「二編」の不思議な夢をみた。
それは、どこか遠い国の海岸で、
二つの国の、二つの海岸。
永田さん、新たな夢をありがとうございます。
maki hachiya
蜂谷真紀
はちやまき
by hachiyamaki_diary
| 2015-03-05 17:04
| ふくちう日誌